院長のつぶやき(2025年3月)
お知らせ 2025.03.11
気づけばもう3月に入ってましたね。先月は臨時休診のお知らせだけでしたから事実上、数ヶ月ぶりの更新となってしまいました。なので今回は話題を3つほど………
でもその前に今年から導入した予約診療について
現時点でお電話のみによる対応となっている予約に関しまして、ご理解頂きありがとうございます。たまに応答出来ない時もありますが懲りずに再度お電話頂ければ幸いです。
この予約診療、導入する前はわざわざ病院に動物を連れて来るのにワンアクションかけるのは如何なんだろうかと否定的でした。それに診療がバラバラで、内科として胃腸炎を診察したら次は眼科とか普通に行われる診療スタイル、更に子猫が風邪をひいているみたいだとか大型犬が足を痛がっている等、動物種にも大きく隔たりがあり、やっと猫が捕まったから連れて来られたとか、てんやわんやになる時があります。すると救急外来以外は順番に診察していくのですが、後ろに爪切りだけで来られている飼い主様は勿論、連れて来られた動物もあの待合室独特の雰囲気中で長くお待ちいただく事になり、コチラとしてはバタバタとしてしまう次第でした。なのでスムーズに待ち時間を短縮して診察するにはと考えた結果、時間枠をきっちり設ける事にしました。予約診療のはじまりです。結果的に私や飼い主様のストレスが軽減しゆっくりと話せたり、より丁寧な診療が出来るようになりました。まだ無駄な動きがありますけど(汗っ)
と言う事でこれからも予約のお電話をよろしくお願い致します。なお、予約電話されてなくても診療はできますのでご安心ください。突然の来院もOKです(但し、予約優先となります)。
それでは前置きが長くなりましたので最初の話題は・・・
獣医師として臨床の現場に30年以上携わってきて、沢山の犬猫を診させてもらってます。近年、ヒトの環境や食生活が変わってきたように動物たちのそれも大きく変わりました。例えばワンコの場合、フィラリア症は開業当初に年間で1〜2例は見受けられましたが今はまず見なくなりました。飼い主様の関心度も高まり、予防薬が浸透したのが大きく関係しているんでしょうね。一方、ネコさんはコレは当院だけかもしれませんが、地域猫らに蔓延していた伝染性鼻気管炎や白血病、ネコエイズ等を診察する機会が減ったように思われます。特に外傷(喧嘩)が減りましたね。昔はよく膿み出ししたりしてましたヨ。
しかし逆に厄介な病気が増えたのも事実でして原因が幾つも複雑に絡みあっていて病状をより深刻にさせている症例も目立ってきました。特に皮膚病やお腹が緩い子、そして圧倒的に増えたのが腫瘍ですね。外見で見つけられる皮膚腫瘍は比較的、発見が早いのですが胸腔内や腹腔内に発生するタイプはとても厄介です。中でも肝臓系の腫瘍は末期にならないと症状が表に出てこないパターンが多いので常日頃からマメなボディチェック(スキンシップ)や高齢期に入ったら定期的な健診をお勧めします。特にメスネコ(避妊含め)の乳腺腫瘍はほぼ癌なので胸部から腹部を撫でるようにチェックして1個でもシコリが発見されたら、直ぐにかかりつけ医を受診してください。
そしてここからがこの話題のハイライトとなりますw
少し前になりますが、今の病院の建物になってそれほど時間が経ってない頃、私の脳裏に強烈な印象を与えた症例をご紹介します。今でもハッキリ覚えてますが中型の雑種犬の主訴は足をとても痛そうにしていて跛行しているとの事でした。院内の待合室において、診察室までの歩き方をチェックすると飼い主様の心配を跳ね返すくらい普通に歩いてまして、それを見た飼い主様は「やだあ〜さっきまであんなに足を痛がって引き摺っていたのに〜」と失笑してました。
早速、身体検査から入ると確かに痛がっていた足を触ると触らないで〜という反応が若干見受けられるものの、痛いよ〜とまでは認められませんでした。爪も問題なく、触診上は診察台上での緊張も手伝って震え以外、怪訝そうな反射はありませんでした。レントゲン検査も考えましたが院内では普通に歩いているのとそれを見た飼い主様の安心度も手伝って鎮痛剤を処方するには診断がつかなかったので相談した結果、暫く様子見となりました。
その後、会計が終わり、相変わらず問題なく普通に歩いて帰りました。そしてこのあと、問題が発生したのです。
何気なく待合室から駐車場を見渡すと先程のワンコが足を痛そうにして歩いているではあ〜りませんか!!!!!待合室に居た他の飼い主様も「あれれ〜」と言うてしまう展開へ
明らかに痛がって悶絶しているような顔にみえたその姿に大変、驚かせられました。病院に連れてこられるとアドレナリンが分泌されて本来の症状が隠れて診断が難しくなるケースは決して少なくありませんが、その程度は容易に想像出来る範疇です。しかし後にも先にもこの症例を超える動物には会ってません。
あっそのあとは結局、鎮痛剤を処方して5日以内に改善したと記憶しております。
次の話題は・・・
先日、私自身の定期診察があり、大学病院を受診してきました。採血から始まり、尿検査、心電図検査、そしてMRIに診察とフルコースで朝7:30〜15:00まででもうヘロヘロになりました。普段は血を抜いたりレントゲンを取ったり、注射打ったりする側から見事にされるままの1日でしたw
ただ、獣医師的には別の視線からとても興味がありまして採血時にどんなタイプの針や真空採血官を使っているとか少しだけ見える検査室にはどんな顕微鏡が置いてあるのかとか
ユニフォームや靴の材質まで事細かくチェックしていく訳なんですよ。生憎院内は写真撮影禁止なので私が興味を抱いた対象の画像は無いのですが毎回、そんな楽しみ(?)を持ち合わせて受診しております。そんな中で今まで全く考えてこなかった訳ではありませんが身をもって経験して動物の辛さもより理解出来るようになりました。針は痛いwww
勿論、動物は採血するので手を出してくださいとはならないので比較するのには条件が違いすぎますが、どんな検査や治療にせよ、動物の負担を軽減出来る方法を模索しながらの受診でした。でもって肝心の私の診療結果ですが、とりあえず経過良好で大きく改善していたので安心しましたヨ。
そして最後の話題は少し愚痴になります・・・
最近、病院周辺の道路や歩道に吸い殻や飲み終えた飲料缶やペットボトル、はたまたスナック菓子の袋等が毎日のように散乱しております。そして更に最悪なのは小型犬のモノと思われる「大」やこの量は大型犬を匂わせる「小」が路面に………
まあ〜近隣のモラルの低さに呆れてます。動物病院は動物が行き来しますのでどうして色々な匂いが発生してしまいます。なのである程度は覚悟していました。最近は早朝に周辺の道路や歩道および駐車場(風の吹き溜まりでゴミが集まりやすい)を掃いてますが、吸い殻や「大」があると凹みますネ。
そして先日もいつものように掃除していたら、紙巻きタバコを吸いながら手ぶらで小型犬を散歩している殿方………どうやら日課みたいですが不思議な事に手ぶらなんですよ。もっと不思議なのは当院前の電柱付近に来て暫くぼうっとタバコを吸い続け、少ししたら来た方向に帰って行くのですが帰りにはタバコを持ってません。
コチラを楽しみに読んでくださっている飼い主様にはそんなヒトは居ないでしょうがせめて吸い殻はポケット灰皿を持参したり、「大」は持参した袋等に入れて持って帰るとか「小」は水でよく流すとか最低限のマナーは守って欲しいと感じました。この間、いつものように掃き掃除していた時、「大」を踏んでしまったのはココバナで………………
そんなんで今回は頑張って沢山、打ち込んでみましたw
最後に今回登場して頂いたワンコはモカちゃん、4歳です
勿論、画像と本文は全く関係ありません!